「次はー、木村 英理。」
そんなことを考えていたら、名前を呼ばれてしまっていた。
「は、はい。
お願いします。」
声が緊張のし過ぎで思いきり裏返る。
Dクラスは皆して大声で笑っている。
英理は赤面した顔を手で隠してしまっているために両目ともふさいでいた。
「英理さん、おめでとう。」
「へ?」
耳には歓声と拍手が聴こえていた。
英理は覆っていた両手を離す。
視界に光が差し込み出す。
はっきりと挙がっている手の方を見た。
(……嘘!?)
手を挙げてくれていたのは満月だった。
周囲にいた生徒達、先生、全てが驚愕していた。
だって、満月は今までメイドをとる事は一度もなかったのだから。
「これからはよろしくね。
英理ちゃん。」
「はい。」
満月の優しい微笑みに泣き崩れていた。
「次はー最後ね、
山本 美怜。」
「はい。」
(…優輝、来てくれる?)

