ラズベリー



「まず、貴様らメイド候補らは
皆の者が合格じゃ。」


「「嘘……!?」」


「やったぁー」


「マジで!?!?」


口々に歓喜が聴こえ始める。


手を取り合って喜んでいた。



「何度言えば分かるのじゃ!!
不合格にされたいのか!!」


かなりお怒りのご様子だ。


私たちは冷ややかに静まり返った。



「よって、今からは……」


ドドドドドドドド………


どこからかドラムの音が聞こえてくる。


スピーカーからではなさそうだ。



「…ご主人様を
決める争奪戦じゃ!!」


「「「「「……!?」」」」」


「ようするに、
メイドになれる人物には
限りがある。」


「・・・・・・・」


「だから先輩を
出し抜いてでもその位置を
勝ち取らねばならない。」


どこからかゴクリと固唾を飲み込む音がする。