「…だったらなんですか。」


弥生はからかうようにまた話し始めた。


「そう怒るでない。両親に
聞きたいことがあるのじゃろ?」

「は、はい。」

「これからある提案をする。」

「はい…」

「これからドレスを着て、
お嬢様として出席しろ。」

「えぇぇーー!!」


有り得ない提案に心が飛び跳ねていた。


「何を心配してるのじゃ。
わしに任せたまえ!!」


胸を張って偉そうな態度をとっている。


(全部が全部心配なんだけど。)


さっきの黒服たちがなにかを持ってきた。


それはドレス、宝石、靴まで一式が用意されていた。


「良いな、
一度きりのチャンスじゃ。
失敗するでないぞ。」

「…はい。」


そのどうしてもやる気の起こらない美怜を励ますかのように微笑んでいる。


「初めての舞踏会、
綺麗に着飾れよ。
そして楽しむのじゃぞ。」

「はい!」


そして、弥生さんは部屋を後にした。


(どのドレスにしようかな。)