ラズベリー



「ゆっくり話して?」


混乱していて、ただ素直な思いをひたすら英理にぶちまけた。


「そっか。頑張ったね。」

「…うん。」


背中をさすってくれている。


「優輝様に対する思いが
何なのか、それは美怜自身が
見つけることだよ。」

「雅様のことは
気になるかもしれないけど
自分の気持ちをもっと
大切にした方がいいよ。」

「自分の気持ち?」

「そう。大丈夫。それに
明後日には舞踏会があるでしょ。」

「………うん。」

「そこで美怜の両親に
『伝説の女性』のことも、
婚約者のことも聞いたら?」


英理の口調は優しかった。


「…でも、怖い。」

「でもそんなこと
言ってたらきりがないよ?」

「うん。それ、
良いかもしれない。」

「でしょ?」

「うん。ありがとう、英理。」

「まぁ、親友ですから。」


鼻を高くして言う。


「それよりも
婚約者はさすがに焦ったわ。」

「…私も。」


目を合わせて笑う2人。