「どういう事だ?」


優輝は思わず尋ねた。


「もう、冷静に考えて下さい。」


美怜の言葉に考えを巡らせていく。


(…なるほど。そういうことか。)

「分かったでしょう?」

「……全く?」

「嘘つき。」


そう言いながら、二人は微笑んでいた。


「あと1分。」


残りの時間は減っていくばかり。


「出来ましたよ。」

「あぁ。」


優輝の帯を軽くポンッと叩いて笑った。


「…5,4,3,2,1,終了!」


周りを見渡すと皆は着替えていた。

そう、美怜を除いて。


まだ周りは私を見てブツブツ何か言っている。

でも気にはならなかった。


「では、評価をさせてもらいます。」


5,6人の先生がジロジロと順番に見ていく。

出来ていないものはそこから減点されていく。

やはり採点は厳しいようだ。