合同練習の音楽会が終わり、葵は怒っている和輝のもとへ追いかけていった。
向かった先は豪華な一室の生徒会室だった。
「和輝様、失礼します」
恐る恐ると入って行くと、豪華なイスに堂々と座っていた。
「何だったんだ、あの茶番は!」
その声が部屋中に響いた。
頭に血が昇っている。
小柄な身体がより小さくなっていく。
「すみません」
「俺がどれ程の恥をかいたと思うんだ。メイドの失態は俺の失態でもあるんだからな」
そして近くにあった花瓶を地面に叩きつけた。
ガシャーン──
中に入っていたガーベラがぶちまけられる。
花びらが散っていた。
「分かっています」
「今回の件は単なる事故だと思う。偶然と思いたい」
「はい」
和輝は地面に落ちた花を一輪だけ手に取った。
「他の部門なら、お前の方が圧倒的のはずだ。第一ステージは必ず勝て。いいな」