ラズベリー



「あの子は完璧よ。何事も」



横から口を挟むのは満月だった。



「ど、どういう事だよ」


「聞いていれば分かるよ。あ、始まるわ」



満月が指した。


美怜はイスに腰を掛けた。


指を鍵盤にのせる。


私が演奏するのはピアノで『ピアノソナタ第7番』。



「♪♪♪~」



音が響き渡る。


でもそれは葵が演奏した曲と全く同じだった。



「「「「!!!!!!」」」」



周りはザワザワ騒いでいた。



「どういうことや?
勝ち目ないであの子!」


「………」



黙って聞くことしか出来なかった。



(何を考えてるんだ。
美怜ちゃん)


「♪♪♪~」


少しずつ周りの雑音も静まっていく。