(良かったね。英理ちゃん)
軽く手を振った。
英理は満月に気付いて微笑んだ。
英理らしい演奏だった。
「19番、下村 麻衣」
次の名前が呼ばれる。
「頑張って下さい」
静香は麻衣に向けてエールを送った。
麻衣はトランペットで『交響曲第9番』を吹いた。
「♪♪♪~」
「あれ、俺のメイドやねん。
まぁ、上手いやろ?」
「まあまあだな」
「お前は葵さん待ちか?」
「いいや。
もっと楽しみな奴」
「ふ~ん」
楽譜どおりに演奏した曲調になってしまっていた。
周りは上手と、はやし立てていたが分かる人には落ち度の分かってしまう曲になってしまっていた。
それを見た葵率いる『ハートクラス』がクスクス笑っていた。
舞台裏では異様な雰囲気が充満していた。

