「美怜。和輝様って
本当にカッコいいね」
うっとりとして小さく耳元で話してくる。
でも、隣の雰囲気には怒りが感じられた。
「英理。私、なんかすごく
負けたくなくなってきた」
「そうだね。満月も
見て下さっているものね」
声に好奇心が漂う。
ちょうどその時、英理は満月と目が合い恥ずかしそうに軽く礼をする。
「違う…」
「じゃあ、あの葵って人がムカツクから?まあ、確かにムカツクけどさ…」
「ううん、違うの」
怒りとイライラが溜まって、頭のてっぺんまで怒りが達してるようだ。
「じゃあ、どんな理由?」
「香椎 優輝がこっち見てるの。あっかんべーってして!」
(…なるほど)
本当にしている。
それも絶対に美怜に向けてだ。
ここまで美怜に関わるなんて。
でも、美怜がここまで闘志が沸くのも無理ないなとつくづく思うのであった。
でもこの時はまだ、お互いの気持ちなんて何も感じていなかったんだ。
今、苦しいよ。

