「ありえない!」



文句を言いながらリビングを後にした。



カアカアカア


窓を覗くとキレイなオレンジ色だ。


真っ黒なカラスが電線に乗っかっていた。



「カラスくらい
私に同情してくれるよね」



再び文句を言いながら、急いで自分の部屋に向かった。


リビングでは、まだ2人は話しを続けていた。



「はぁ、美怜は大丈夫かしら」


「分からないな。
あの子次第で変わることだ」


「あの事に
気付いてくれればいいけど…」


「そうだな。
結婚だけは許さないけど」


「コホン。ア・ナ・タ」



いくらなんでも根に持ち過ぎだろう。


窓からの夕日はとても綺麗に輝いていた。



私はまだ分かっていなかった。


これから起こる試練を…。


そして父と母が私を『メイドクラス』にいれた本当の理由を……。