「位の高いメイドが多いし、英才教育を受けていた人が多いんだって」


「そっか」



でも、全然危機感が無いみたいだ。


英理は肩をすくめるしかなかった。



「ばれないようにね」


「はいはい」


(大丈夫だといいけど…)



そして、『ハートクラス』との合同授業が始まったのであった。


先生が説明を始めた。



「皆さんの1番得意な楽器を演奏して頂きます。演奏する楽器、曲名が決まったら知らせに来て下さい」


(…何にしようかな)



気難しい顔で悩んでいたら、英理が近づいて耳元で言う。



「美怜、あそこ見て」



指された指の先を見た。


そこにいたのは、ピョンピョンと跳ねている子がいた。


小さすぎてよく分からない。



「あの見るからに150cmない、巻き髪の子が北条 葵[ホウジョウ アオイ]」


「その、だから何?」


「だから、香椎家のメイドだよ。かなりの特別扱いみたいだね」



頭がフル回転される。


香椎家のメイドって事は…



「ええーっ!
あの香椎 優輝のメイド!?」