「遅くまでいて下さったけど、
使用人の人心配しないかなぁ」


「それは大丈夫じゃない?」


「どうして?」


「だって、満月。
1人も使用人いないよ」


「えっ!じゃあ、
かなりすごい人だね」


「どうして、そうなるのよ?」



英理は眉間に皺を寄せていた。



「令嬢の身だしなみは人以上に時間がかかるの。だから、最低でも1人はつけるというのが基本なんだよ」



美怜も東宮家にいたときはメイドさんに全て仕度をしてもらっていたのだ。



「じゃあ、何もかも1人でしているんだ。凄い人だな」



感心していると2人のお腹から音が鳴る。



グゥー


同時に顔が赤くなった。



「…お腹空いたなぁ」



英理が遥か彼方を見て言った。