「ねぇ、満月でいいよ。
さぁ、続けましょ」
満月は明るくピースサインをした。
それからも満月はたくさんのアドバイスを何度も何度もしてくれた。
気が付けばもう日が暮れてカラスが鳴いていた。
「もう、ここまでにしましょう。満月、長い時間ありがとうございました」
「ありがとうございました」
頭を下げる二人。
「どう致しまして。 ねぇ、また時間が出来たら来てもいいかしら」
「はい」
「その時は、また
よろしくお願いします」
そうして別れたのであった。
帰り道。
一本道を並んで歩く。
カラスがやかましい程鳴いていた。
「満月ってもっと
しっかりしている人だと思ってた」
「私も。なんていうか、
ちょっと天然って感じかな」
思い出すのは好奇心旺盛の無邪気な笑顔ばかり。
「分かるな」
2人は空を見上げる。
雲に薄く赤く染まっていた。

