王宮内の一室に、元気の良い赤子の 泣き声がこだまする。 「…おめでとうございます! 王女様ですわ!」 第五王女の誕生に、辺りに居た数人の魔導師が、わぁっと色めき立つ。 「あぁ、王女様ですって!」 「王女様がお産まれになったわ!」 「王女様、万歳!」 歓喜に手を叩く者、涙を流す者、 様々いる中で。 「よくぞ、 産んでくれたな。 クレア。」 満足気に微笑むミロス国国王と… 「………………」 …産まれたばかりの我が子を、 絶望的な瞳で見つめる”母親”のクレア。