「…きゃっ!」




悠汰が口を開いたと同時に突然強風が襲ってきた。




驚いてつい悲鳴をあげてしまった。




いきなり襲ってきた強風のせいで、悠汰の言葉が聞こえなかった。




「悠汰……今なんて言ったの?
風で聞こえなかったわ…ごめんなさいもう一度……」


「…い、言うわけないだろ!
もう寒いから中入るぞ!」


「え、悠汰!?
気になるから教えてよ……!」




強風のせいで悠汰の言葉が聞こえず、気になって何度ももう一度と悠汰に迫っても、悠汰は教えてくれなかった。




何を言ったのかは分からなかったけど、いいの。




悠汰を私の何かで埋められたのだと、それだけでも分かったから。




私は悠汰の欠けた部分を埋められている。




でもいつかは聞かせてね?
聞いたら、それ以上にあなたの欠けた部分を埋めるから。