ふふ、常盤胡梅の笑う声が聞こえた。




「…じゃあ、あなたがもし殺されずに捕まったら私が殺してあげるわ…




九条院家の護衛人のあなたをね…」




最後の言葉は聞こえなかった。




誰に殺されようが構わない。
生け捕りにされた私を殺してくれるのなら。




美桜様にだってこの命を捧げよう。




私が死んで、あなたが幸せになるというのなら。




あなたが私をもう必要としないのなら、私は生きる価値がない。




だったらせめて、あなたの手で殺して欲しい。




どっかの汚れた重文様(やつ)に"道具"にされるのなら…




美桜様、どうか幸せになって下さい。




幸せになって私の唯一の願いを叶えてください。




【side end】