「う~ん。良く寝たぁ!」
ベットの上で腕を上に上げ、掌を組んで、大きく伸びをしてから、ベットから飛び降りた。


こちらの世界に来てから、こんなに爽やかな目覚めは初めてだ。


窓に近寄りカーテンをサッと開ける。外はまだ暗かった。


(やっぱりね。この国はいつでも夜なのね。)

暗い外に少し気分が滅入ったが、気を取りなおす。

テラスに続く窓を開けて、外に出てみた。

高台に立つ城の城壁の向こうはなだらかな坂のようで、町並みであろう家々の明かりがぼんやりと光っていた。

時々瞬いていて、蛍の群れがいるようだった。

綺麗。

凛々はテラスに頬杖をついてうっとり眺めていた。

どのくらい眺めていたのか。


コンコンと部屋の扉を叩く音がした。

凛々は振り向き、部屋に戻ると、扉に声をかけた。