私は目を覚ました。

夢はいつもここで終わってしまう。

子どもの頃は夢に出てくる男の子の顔がどうしても知りたくて、もう一度寝てみたり、神様にお願いしてみたりしたものだが、17歳になった今では、恒例行事のように、またいつもの夢だと思う程度で気にすることもなくなった。

自己紹介が遅れたけれど、私の名前は山下凛々(やましたりり)。地元の都立高校に通う高校2年生。友達が大好き、おしゃれが大好きなごく平均的な女の子。

「うーん。6時か。」伸びをして時計を見ると丁度針は6時を差していた。

我ながら寝起きは良いと思う。

「ウォンッ!!」

私の起きた気配を察してタロがベッドにボフンと前足をかけた。