風呂から出て、用意された服を着て外に出ると、マーサが待っていた。

「お湯加減はいかがでしたか?そうですか。満足されて良かったです。」
マーサは嬉しそうに話した。

「ではこちらへ。」

続きの間に案内されると、椅子を勧められた。言われるままに座ると、マーサは髪を乾かし、すいてくれた。

…何だろう。マーサが髪に触る度に力が抜けていく気がする…

マーサは機嫌良く何か喋っているが、よく聞こえない。

「ごめんね、マーサ。髪はもういいわ。」

「すみません!お辛かったですか?お顔の色が悪いです。急に動いたのでお疲れになったんですね。温かい物をご用意致しますから。」

と慌てて、最初にいた寝室へ連れて行かれた。

「こちらでお休みになってお待ち下さい。直ぐにお持ち致します。」

マーサは凛々を寝かすと急いで部屋を出ていった。

何だろう急に。ここに来てから分からない事ばかりだ。私は、身体も弱くなっちゃったのかな。

不安にしていると、マーサがスープを持って戻ってきた。

スープをサイドボードに置き、凛々を抱き起こして、座り心地の良いようにクッションを背中に置いた。


ベッドの下から小さい台を出して、スープを置いた。

「さあ、どうぞ。気分が良くなりますから。」

マーサはそう言ってスープを勧めた。

凛々は気がすすまなかったが、一口飲んだ。
フアッと口に味が広がり、身体にも熱を伝えた。
「美味しい。」
「お口に会って良かったです。」
マーサはニッコリした。

(さっきのは何だったのかな。)

凛々は不思議に感じながらも、気にしないことにした。

ここに着て私には分からない事ばかり。今は体力をつける事が大切だよね!
凛々は一口ずつ、スープを口に運び続けた。