誰ともなく、皆が森の方へ目を向けていった。


大歓声はいつの間にか止み、皆がただ、森の方へ向き、じっと見つめ始めた。


城壁に近い位置にいたバルゴとマーサは少し遅れて、辺りの雰囲気に気づき、森の方向へ目を向けた。


二人とも皆と同じく、そこから目が離せなくなった。


「…あれは…。」


二人ともそれ以上言葉がでず、目を見開き、見つめ続けていた。