その後の事は覚えていない。


兄と名乗ったレスターの話と合わせれば、思い出したくもない記憶に違いない。


リートは待っててくれたのかな。


リリーが来なくてきっとがっかりしただろう。


今はどうしているのかな?


もうおじさんになってるね。


考えたら、クスッと笑いがでた。


金髪金目の綺麗な子だったな。優しくて。
顔を思い出すうちにふと気づいた。


そう言えば、あの男の子、ジェットに面影が似てた。
黒髪黒目にしたら。うん。そっくり。


親戚かな?お母さん、天界人だもん、あり得るかも。


今度聞いてみよう。


「…やめた。」


聞いてどうするの?


懐かしい友人に会う訳じゃない。第一、ジェットに理由を聞かれても答えられないし、変に誤解を生むだけだろう。


確かに私の一部はリリー・ルゥかも知れない。
初めてそう思えた。