「マジで言ってんの？断るにしても誰も信じないぜ。」


武志は、私を真っ直ぐ見て言った。

そりゃ、怒るよね。うん、分かるよ。


変な納得をしてる私だけど、弁明を試みた。

「武志。怒らないで聞いてね。私、タロとは運命的な出逢いだと思ってるの。誰にも言ったことないけど、タロのこと、あ、愛してるのっ！！」


言った。

言ってしまった。
恥ずかしい！！


しかし私の一世一代の告白は、一笑にふされた。

「…ぷっ。…くくくっ！あはははっ！…ひー。笑える。ってごめん。はは！山下は真面目なんだよな。…ぷくくく。」

私が真っ赤な顔に怒りを溜めて睨んでいると、笑いをこらえようと武志が奮闘ししていた。


「お前、ちょっと変わった奴だとは思ってたけど。そうかあ。俺、犬に負けたんだ。」

言いながら、また笑いだす。


「ご、ごめん。ケホッ。お前がマジすぎで笑えんだよ。」


言わなきゃ良かった。