凛々とジャスティスは庭の中にある、東屋でお茶を楽しんでいる所だった。

庭は今が見頃の花で溢れ、芳しい香りと共に二人の目を楽しませてくれる…筈なのだが。


「…あの、ジェット。」
凛々が言いにくそうに口火をきった。

「ん?なんだ?」

ジェットが優しく答える。

「お茶が…」

「お茶が?」

「お茶が…」

ジャスティスは不思議そうに凛々を見た。

「先程からどうした?お茶がどうかしたのか?私にはいつもと変わらないように思うが。
マーサに入れ替えさせるか?」

「…そう言う事じゃなくて!」

伝わらない事に苛々をあらわにして凛々はジャスティスを見るが、すぐに目を逸らした。


「どうした?リリー・ルゥ。」

そう言って凛々の顔を覗きこむ。


「だから…!そんなに見られるとお茶が飲めません!!」


この所、毎回こうなのだ。
ジャスティスは庭園での花々を見ずに、凛々だけを愛でている。