朝食の後の時間は楽しかった。


マーサと二人でこれがいい!とかそれならこれを合わせて…とキャアキャア言いながら2時間近く衣装替えをしていた。


「さ。これでいいですよ。リリー様。とっても似合ってます!」
マーサは満足そうに鏡を見て、言った。


凛々も鏡の自分を見て、照れながらもニッコリした。


うん。我ながら似合うよこれ。

薄いモスグリーンのフワリとした素材で、袖の所がゆったりと膨らんでいる。胸から切り替わり、Aラインのラインが足首まできていて可愛い。

足元は歩きやすいようにローヒールで柔らかい革で出来ているシンプルなデザイン。

それに合わせて髪は邪魔にならないようにトップでまとめ、大きめの金の髪飾りを止めた。


「あれ?リリー様。首筋にあるアザはどうされました?」

マーサが髪をまとめてスッキリした首筋を見て、聞いてきた。

「え?あれ?何だろこれ。虫に刺されたのかな?さっきテラスにいたから。」

凛々は首に赤く出来た痕をを擦ったが痛みはないので、すぐに気にするのを止めた。


しかしマーサは。
「これって…でもまさか…いいえ!思い過ごしよね…」
と暫く一人でブツブツ言っていた。


「マーサ?」

凛々が怪訝そうにしていると慌てて

「すみません!何でもありませんよ。目立ちますからチョーカーで隠しましょうね。」

と髪飾りに合わせたチョーカーをつけて隠してくれた。