『…………志穂っ』


その声にぱっと反応して、顔を上げた。


「蒼ぅ………っ!!」


私はばっと立って蒼にまた抱きついた。


『だから、あのなぁ………っ』


また蒼は顔を真っ赤にする。

もう何回目だろう…。


「ごめん、蒼……」


『いいよ、迷子になるのは昔からだろ?』


「え………?」