そっと唇を私に落とす。 柔らかくて、私を包み込むような、温かい口づけ…… そう、心にびっしりこびりついた氷を溶かすぐらいに…… 私が嫌がらないと知ると、また唇が落とされた。 何度も、何度も…… くっつけては離して、くっつけては離して…… まるで私の表情を一々確認するかのように ふいに目が合うとふわりと彼は笑う。 きゅんと胸が音を鳴らしたような気がした。 どうせ、捨てる人生だったんだ。 もう少し、この男に託してみても……いいのかもしれない。 【end】