―…










″彼女″に気を許して、″彼女″の手から直接 食べ物を食べるように なった頃、

″彼女″は″私″を抱っこして、この家に連れて来てくれた。


その、″私″を連れて帰って来た″彼女″を、優しい笑顔で迎えてくれたのが…

元気だった頃の、貴方。






『私の…″恋人″だよ。


超カッコいいでしょ~!笑』




ふんわり笑顔の″彼女″に そう紹介されて、照れ笑いを浮かべて いたっけ…。






あの時の″彼女″の嬉しそうな様子と、

それから貴方と過ごしている時の楽しそうな様子…


初めて″彼女″を見た時から感じてた様子も全部 含めて、

″彼女″が浮気するような人とは、どうしても、思えない。


″彼女″が、貴方 以外の人を好きになる なんて…

絶対に、有り得ない。


最初から ずっと″彼女″を見て来た″私″には、そう思える自信が あるんだけど…。


それを、貴方に伝える事が…出来ない。




″私″には『言葉』が無いし…、


貴方には……

音が、届かない。






貴方に、″彼女″の事を伝えられれば いいのに…。


″彼女″の誤解を、解く事が出来たら いいのに……。