幸福死亡保護事務局

「以上です。」

青年の話しが終わる頃には涙で前が見えなくなっていた。妻はこんなわたしを好きだと言ってくれた・・・こんなわたしに居場所をくれたのだ。涙は止まらなかった。だが、決して悲しいだけの涙ではなかった。

わかるまでとても長い時間がかかった。妻が笑顔で死んだ理由。そして、わたしは今、この時のために生きていたのだとわかった。

入院してから毎日見てきた窓の外の景色を眺める。

ドラマにあるように桜が満開になっていたり、雪が降ったりしていることはなかったが、こういうのも悪くないな。そう思った。

青年に一言お礼を言う。

そして、わたしは妻と同じく笑顔で息を引き取った。