「そんなこと…」



「…あっれー?文香?」




そんなことない、そう言おうとしたら低い声に遮られた。



「こんなとこでなにしてんの?」



「と、ともちゃん…」




文香にトモちゃんと呼ばれた男。



すごくがたいがよくて、サングラスをかけていて顔がよくわからない。



分かるのは頬にある大きな傷跡と坊主に近い短髪を金に染めてるってこと。



一言で言うならこわい。




「あー。黒瀬千尋に早坂大地もいる~」



男の後ろからヒョコっと顔を出した女が俺を指差してにやりと笑った。




「二人とも、また相手してあげてもいいよ?」





ぷぷぷ、と笑うとまた男の後ろに隠れる。




誰だっけこいつ、なんて思いながら男を見る





男はただ一人、文香を睨み付けていた。





「…白昼堂々と浮気か?」






「……」




浮気、その言葉にはっとする。




こいつって…もしかして




「トモちゃんだって女連れてんじゃん」





「こいつは何でもねーよ。俺の彼女は文香だけだし」





やっぱり、文香の彼氏だ!!!!!