たとえ、叶わなくても。

ガチャッ。

「あれ?ドア空いてる?電気もついてるし……。
誰かいんのかー?」



この声は___________






荒井先生…!



「…チッ。あいつ、どこまでも俺の邪魔しやがって…!」

圭先生は、そう言うと私に猿轡を素早く付け直して、普段使わない部屋に私を無理矢理押し込んだ。


せっかく、助けてもらえるチャンスだったのに…!


ドア越しに、荒井先生と圭先生の会話が聞こえる。


「あれ?小倉先生。どうしたんですか、忘れ物かなんかですか?」

「あはは…仰るとおりです。どうしても、明日必要なファイル、2冊も忘れちゃって…」

「あ、当たっちゃいましたか。実は、俺も同じ理由で…」

「そうなんですか?でも、俺と違ってお忙しいんじゃないですか?ご苦労様です。」

「いやいや…そんなことないですよ。まだ夏ですしね…あ、ついでだし一緒に帰ります?車で来たので、送りますよ。」

「いや、俺はついでに仕事やってから帰るので、お構いなく。」

「そうですか?じゃあ、忘れ物とったら帰りますね。」

「はい!お疲れ様ですー。」