たとえ、叶わなくても。

「あ。このまんまじゃ、キス出来ないね♪
どうせ大声出しても誰もいないしね。
猿轡、もう外しちゃおっか♪」

圭先生は、そんな私の気持ちを知ってか知らないかは定かではないが、こんなことを言った。

猿轡を外してくれるのは嬉しいが、私を助けてくれる人が誰もいないという事実は、わかっていたとはいえ言葉に出されるのは辛かった。


もっと辛いのが________キス。


私は、まだキスをしたことが無い。ファーストキスを、こんなやつに捧げるなんてまっぴら御免だ。


しかし、無常にも猿轡は外された。


あぁ、もうどうなってもいいや_______。



私がそう諦めかけた、その時。