あたしが振り返ると、俐人はゆっくりと近付いて来ていた。 あたしの目の前まで来ると、 「何で泣いてたんだ?」 あたしを見下ろしながらそう言った。 あたしは立ったままの俐人を見上げてたけど、気まずくなって視線を下げた。