「……また、あの人は、こう言う……」 子供のような所のある、ユニークな人だった。 あまり激する事のない穏やかな、人を包み込むような優しい、不思議なオーラを持った人。 目頭が熱くなる。 流れ落ちる物は、もっと熱かった。 自分は、こんなにもあの人を好いていたのか。 トントン! ノックの音と共にドアが開き、浩介は驚いて振り返った。 そこには、彼よりも驚いた顔をした『二人の藍』が立っていた。