「俺に話って、何ですか?」 拓郎ははっきり言って、緊張していた。どうしても、柏木に聞きたい事があった。 「君だけに、話がある」と柏木に呼ばれてきた別室である。柏木個人の部屋だと言う。 「簡素な――」と言っていい程、何もない部屋だった。 あるのは、机と本棚と応接セットだけである。そしてその大部分を占めるのは、本だった。 「まあ、取りあえず座りなさい」 促されるまま拓郎は、ソファーに座る。 思い詰めたような顔をしていたのだろうか。 インスタントのコーヒーを入れながら、柏木が苦笑した。