挫けそうなとき、迷ったとき、今までいつもそうして来たように拓郎は、自分の心に問うた。 『お前は、どうしたいんだ』と。 俺は――。 俺は、藍にもう一度会いたい。 ただ、会いたいんだ。 ならば。 「考えろ。どうすればいいのか。どうすれば藍が見つけ出せるのか、考えるんだ」 自分を鼓舞するように呟くと、拓郎は大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。 再び開かれた黒い瞳は、決意の色をたたえて真っ直ぐと前を見詰めていた。