女性が貰って嬉しい物は女性に聞くに限る。
餅は餅屋に、だ。
そう考えて、唯一相談出来そうな相手が美奈だった。
「女性が贈られて嬉しい誕生日プレゼント?」
美奈は、拓郎の質問に、『ニヤリ』と会心の笑みを浮かべてきっぱり言ったのだ。
「それは、勿論これよ!」と。
拓郎に助言しておいて、自分たちは他のアクセサリーを贈り、とどめは恵の絵。
――まったく、あの人は策士だよ。
「芝崎さん?」
「……あ、ああ、ごめん」
ええい、男は度胸だ。当たって砕けろだ!
拓郎は、『一大決心の証』を上着のポケットから取り出して、トンとテーブルの上に置いた。



