「比呂の部屋電気ついてるな。」 あたしは比呂の家の前で 比呂がいるか確認してから、 チャイムを鳴らそうとした。 そのとき……… 「あれ?北村さん?」 後ろから名前を呼ばれた。 あたしはその声に聞き覚えがある。 「西山さん」 あたしは振り返りそう言った。 「こんばんは」 「こんばんは」 今日、比呂、西山さんと会う日だったんだ。 「あ、あの…これさ、 比呂に渡してくれる?」 あたしは西山さんに、比呂のカバンを渡した。