2人の間が気まずくなった時、 タイミング良く、 空がきらきらと光った。 花火が上がったのだ。 「あ、花火だ。愛結、近くに見に行くか」 「あ、うん」 陸はきっと気遣ってくれてる。 あたしは頷いて陸の手を握った。 少し勇気のいる行動だったけど、 陸はあたしの手を握り返してくれた。 「………行こう」 そうあたしだけに聞こえる声で囁いた。 そして、花火がよく見えるスポットまで 並んで歩いた。