下品な感じで男が笑う。
歩は苦笑いをうかべながら、その言葉が深く心の底へひっかかった。

オカメと同じ…
私もオカメも同じ…

横にいるれいかを見ると自分がひどく滑稽に思えた。

美しいれいかの顔、鼻筋のとおった完璧としかいいようのない顔立ちが羨ましい。
私もあんな風になれば、こんな言われ方はしなかったかもしれない…
歩の心はれいかが憎いわけでもないのにいつの間にか嫉妬心が沸くようになっていた。