誰もしらない世界

男は観念した様子でれいかに話しかける。

男「なんなんだ、君の言う目的って?」
しかめっ面で男は問いかけた。

れいかは机の前の鏡の前で乱れた髪を直しながら言った。
れいか「簡単よ。あなた会社の数字握ってるのよね?だったらそのお金ほぼ全額横領してきてよ?」

男「そんなことできるか!」

れいかは男を睨み付ける。

れいか「あなた、消されたいの?」

男「え…」

れいかの眼差しにぞっと背筋が凍った。

れいか「消されたくなかったら、そんなの簡単でしょう?あなたくらいの役職だったらね。あははは」

れいかは高笑いで笑い、静かに言った。

れいか「そんなもん、全部とったあと逃げればいいのよ。とられる方が悪いのよ。取られる方がね…」
そう言った後のれいかの顔はなんとなく、杉浦を歩にとられた時の屈辱感を思いだし、少し切なげな表情に変わっていた。

男はれいかのその表情を見逃さなかった。
しかし、れいかはまた気を取り直して、男の両腕を押さえるガードマンに男を外につまみ出すようにいった。

れいか「この人、外に解放してあげて。あ、あと…」

そう言ってれいかは自分の連絡先と杉浦から指定された振込口座を紙にかいて男に渡した。

れいか「実行したら連絡して。あなたの逃げ道なら用意してあるから、安心して。じゃあね。」

そう言って部屋から男をおいだした。