杉浦の自宅を背にして歩きながら歩は一人考える。

…いつまでも杉浦さんの側にはいられない。
いくら気持ちを入れ込んでも何も変わることはない。初めからわかっていたこと。ただ、それだけの事よ。

歩は自分の心にまで嘘をつき、なんとか自分に言い聞かせた。

それからの日々、歩は米村と自分のブランドを立ち上げる話を少しずつすすめ始めた。
杉浦なしの歩の一人歩きが始まった。