歩が藤田と一夜を共にした日から数日の間、歩は一人何度も自分の揺れ動く感情を抑えられずにいた。

形ないものを信じたい一方で信じられない自分。私は何をそんなに怯えているのだろうか…と言葉に出来ない思いはいつも歩の頭を横切る。
杉浦を信じると決めたはずなのに、その裏では反対の行動を取ってしまう…これって一体なんなんだろうかと歩は闇の中をさ迷いながらも、ケータイ電話を手にする。

[こないだのお話の続き…もう少し踏みいってお話することができますか?]

そう米村に歩はメールを打った。