ガチャ…

リビングルームに男が一人と女が三人程いた。

男(おう、歩!起きたか)

女(おはよー歩)

歩(あ、うん。おはよう…)
歩はぎこちなく挨拶をしてソファーへと座る。
そこにいる歩は以前の歩とは確かに違うのだ。
少し自分の行動にギャップを感じながらも、なぜそこに座るのか、なぜ知らない人に名前を聞いたりもしないのかは自分でもわからないけれど、その場になじんでしまっている不思議な感覚におちいっていた。だけど以前とは確かに違う自分がいて、知らないはずの事を知っている、その時間を今という時間を生きているからだった。

男(葵ちゃん、仕事はいったよ)