誰もしらない世界

歩(…少し考えてご連絡します。)

男(オーケー。じゃあ、今日はその話だけだったんで、いこうか?)
そう言い男は会計を済ませて店の外へと出る。
男と別れた後、歩は男からもらった名刺をじっとみつめる。
・・・女王。
私があの滑稽な時代を過ごしたころになりたかったもの。この店で自分の実力を試してみたいと、歩は思うようになる。

その日、店へといつものように歩が出勤すると藤田が先に来ていた。
歩(すいません。お待たせしちゃって。最近来るの早くないですか?)

藤田(歩さんに会いたいのと、後は・・・今日は杉浦さんのことでちょっと・・・)

歩(またその話ですか・・・)
歩は少し嫌な顔をしてみせる。

藤田(色々と、気になって調べたんだよ・・・益々君のことが心配になった)

藤田はそう答えると歩はとっさに嫌な感じで藤田に答える。

歩(藤田さんが杉浦さんの何をしってるんですか?)

歩の少し怒った顔に藤田は驚くが、ためらわずに答えた。

藤田(君、れいかさんがここをやめた理由ほんとにしってるのか?)

歩(本当にって何?れいかさんが勝手に墓穴ほっただけじゃない。)

藤田(違う。あの子は杉浦に落とされたも同然なんだよ。僕は探偵だ。君が知らないことまでこと細かく調べたんだよ・・・。君には、もうこれ以上、あの杉浦という裏の顔をもつ男の犠牲になってほしくはないんだ。)

そう熱心にいう藤田に歩はむっとする。

歩(探偵って・・あなたに何がわかるんですか。その目で実際見たわけじゃないじゃない。)

藤田(だとしたら君、あの放火事件のこと何もなかったっていえるんだな?)

歩は藤田がそのことについて触れると一瞬凍りつくが、平然を装いながら言う。

歩(なんのこと?)

藤田(僕は君の敵ではない。君がそのことに関わっていたって君を悪者にしたてたいわけじゃないんだ。ただ、君を本当に心配して・・・)

歩はもうそれ以上藤田と話したくないと思い、席を立つ。

藤田はそんな歩の肩をひこうとする。すると歩は黒服を呼ぶ。

黒服(おやめくださいお客様。それ以上エスカレートすると次回から出入り禁止になります。)

そういわれると藤田は冷静になり手を離す。