安西は飲み代金の全額をれいかの給料から掛けで支払う約束をしていたが、そのまま音信不通でとん面していたのだ。しかもそれはバースデーの日が一番掛け代金が高く、一ヶ月間の合計総額は軽く2000万を越えていた。

黒服(いやー、参りましたね。)

歩(どうするんですか?)

黒服(ここのオーナーは杉浦さんに今月から変わっていたので、電話して聞くしかないですね。)

歩(……)

歩は唖然とする。そして、れいかは杉浦を連れて店へと戻ってくる。

階段を下りながら杉浦のスーツをひっぱる。
れいか(なぁ!どうゆうこと!あの男!)

杉浦(知らない。それより、今月の掛け代金は全額お前が払え。)

れいか(はぁ?無理に決まってるじゃない!)

杉浦(無理なら、ヤミ金でも借りてくるんだな。業者なら紹介する。)

杉浦は冷たく答えた。

れいか(無理!無理に決まってるじゃない!私にこの店買ってくれたじゃない!酷い!)
そう言って、杉浦の腕をれいかがバシバシと叩く。
杉浦はあまりのれいかのヒステリックな様子に痺れを切らし壁に投げたおした。

ドン!

れいか(痛っ!)

れいかはその場で泣き崩れながら杉浦に文句を言う。

れいか(最低な男!クソ男!)
そう泣き叫ぶ。それを歩と黒服は見ないように更衣室へと隠れた。更衣室へ入るとれいかの叫び声がピタっと止んだ。
外では杉浦がうるさいれいかの前へとしゃがみ、顎を軽く持ち上げ話をしていた。

杉浦(てめーの借金くらい自分で払えよ?このアマ。)
そう舌打ちする。

れいかは杉浦の見たことない姿に恐怖を感じて固まる。

杉浦(お前女だろ?俺にやったみたいにまた男から金ひっぱって払えよ?それが嫌なら紹介する金融で金借りろよ。)