ドンっという衝撃音は聞こえたのに、痛みはいつまで立っても襲ってこなくて。 「あき、らめてんなよ、翠、が、怪我するとか、無理すぎ」 脇腹から血を流す、圭人だった。 「な、なんで、けーと…圭人…」 なんで、圭人がさされてるの? 「あたし、あたし、あたし…」 動揺する夏帆は頭を抱えてしゃがみ込む。 「けいとっっっっっっ!ばか!」 崩れ落ちた圭人を抱えて叫ぶ、 なんで、こんなことになるのよっ