猫を愛する黒猫総長さんの話Ⅱ



ドンっという衝撃音は聞こえたのに、痛みはいつまで立っても襲ってこなくて。


「あき、らめてんなよ、翠、が、怪我するとか、無理すぎ」


脇腹から血を流す、圭人だった。


「な、なんで、けーと…圭人…」


なんで、圭人がさされてるの?

「あたし、あたし、あたし…」

動揺する夏帆は頭を抱えてしゃがみ込む。

「けいとっっっっっっ!ばか!」

崩れ落ちた圭人を抱えて叫ぶ、


なんで、こんなことになるのよっ