猫を愛する黒猫総長さんの話Ⅱ




「父さんは、やりたいのなら諦めるなと言った。
ただし二兎を追え、と。
会社もデザインも頑張れって。」


ゆっくり私を離した圭人は微笑みながら私の頭を撫でる。


「心配する必要なかったのにな。
このワンピース作ってたらまた母さんにぐちぐち言われたんだ。

…でも、そんなに喜んでくれると思わなかった。
嬉しい。」


「うん、私もすごく嬉しい。」


いつになくニコニコする圭人を見て嬉しく思いながら私も笑った。