「…素敵。」 黒い布みたいなものを広げると、ワンピース。 細身のつくりのようで、ラインがすごく綺麗。 圭人のパーカーのように、青色の糸の細やかな刺繍と散りばめられた青い石。 「…こんなものいつの間に用意したのよ?」 ドキドキしながら袖を通すと、驚くほどぴったりだった。 素敵な服を着るのは女の楽しみだ。 服にきられているような気がしながらも、サイフと携帯だけを持って部屋を出た。