たくさん巡った思いは言葉になることなく、ただこの言葉だけが私の口から滑りでた。



あれだけ思ってたごめんなさい、は全く思いつかなくて。



代わりに溢れたたくさんのありがとう。



「俺も好きだ。無事でよかった。」

「こっちのセリフだばかたれ。」


お互い顔を見合わせてふふっと笑う。


そして吸い寄せられるように、圭人の唇にキスを落とした。


言葉にならなかったたくさんの思いが伝わるように。


第二幕fin.