その医師は立ち去った老夫婦を見届けた後、
手に持った紙に目を通しながら、こちら側に向かって歩いて来た。
レイは興味があった。
あれ程までに親身になってくれる医師。
遠目で見た限り、雰囲気からはそんなに年を重ねているように見えなかった。
一際目立つ長身。
パリっとアイロンされた皴のない白衣に身を纏うこの医師は、
どんな笑顔をおじいさんに向けたのだろう。
笑顔は人を幸せにする。
、どうしても顔だけは見たくなった。
ただそれだけなのに、
どうして資料を持つ細い指先に目が奪われるのか。
どうして揺れる白衣の裾に目が奪われるのか。
分からない。
レイは医師の一挙一動に興味を駆り立てた。
近づいてくるにつれて次第に輪郭がはっきりと分かり、
資料に目を落としたその下向き加減な表情に、
私はどうしても目を離すことが出来なかった。
手に持った紙に目を通しながら、こちら側に向かって歩いて来た。
レイは興味があった。
あれ程までに親身になってくれる医師。
遠目で見た限り、雰囲気からはそんなに年を重ねているように見えなかった。
一際目立つ長身。
パリっとアイロンされた皴のない白衣に身を纏うこの医師は、
どんな笑顔をおじいさんに向けたのだろう。
笑顔は人を幸せにする。
、どうしても顔だけは見たくなった。
ただそれだけなのに、
どうして資料を持つ細い指先に目が奪われるのか。
どうして揺れる白衣の裾に目が奪われるのか。
分からない。
レイは医師の一挙一動に興味を駆り立てた。
近づいてくるにつれて次第に輪郭がはっきりと分かり、
資料に目を落としたその下向き加減な表情に、
私はどうしても目を離すことが出来なかった。


